こんにちは。私たち家族は子供たちの小さい頃ポーランドで暮らしていました。
その頃の私たちの楽しみといえばやはり旅行!

「ひな祭り、夕食何がいいかな?」
そう聞いたとき、娘が笑顔でこう答えたんです。
「チーズフォンデュ!」
ああ、あの旅の夜の味だな…。そんな何気ない一言が、私たち家族のとっておきの旅を思い出させてくれました。今回は、その記憶をたどるように綴ってみたいと思います。
1. ジュネーブ観光とレマン湖クルーズ
旅の始まりは、ポーランドからのフライトでスイス・ジュネーブへ。午前は観光の中心となる旧市街をバスツアーでブラブラ。時計博物館やサン・ピエール大聖堂などがあり、歴史と文化を感じるにはぴったりのエリアです。午後はレマン湖クルーズで国境を越え、フランスの小さな村・イヴォワールへ。石畳の道と花々に囲まれた村は、まるで絵本のよう。短時間で行ける海外気分に、両親・子どもたちも大はしゃぎでした。
観光バスでの市内巡りと、ゆったり流れるレマン湖クルーズ。大人も小さな子どもも、そして年配の両親もそれぞれに楽しめて、しかも移動のストレスがほとんどない——そんな理想的なジュネーブ観光の一日でした。家族旅行を快適に楽しみたい方には、ぜひこの組み合わせをおすすめします!

2. 鉄道で巡る絶景旅


ジュネーブからスイス国鉄(SBB)を利用してツェルマットを目指しました。ジュネーブからローザンヌ、フィスプを経由してマッターホルン・ゴッタルド鉄道で山岳地帯へ。山間を縫うように走る列車の窓からは、エメラルド色の湖とアルプスの美しい山並みが広がり、移動中も飽きることはありませんでした。






スーツケースを抱えての移動も、鉄道ならスムーズで快適。ジュネーブからツェルマットへの道のりは、移動であると同時に、雄大な自然を感じる「もうひとつの旅」でもありました。両親も子どもも窓の外を眺めながら静かに楽しむ時間が、旅に深みを与えてくれます。スイスならではの鉄道旅、やっぱりこれは一度は体験すべきです。

※以下は公式サイトへのリンクです。最新情報や詳細は、必ず公式ページをご確認ください。https://www.sbb.ch/en
※スーツケースは車両の前方にある鍵付きスペースに預けました。まれに盗難の話も聞くので、途中で何度か様子を見に行きましたが、家族旅行ではこうした小さな工夫も安心・安全につながりますね。
3. アルプスの麓ツェルマット
ツェルマットは車の乗り入れが制限されているため、自然の静けさが保たれています。石畳の街並みや花に囲まれたシャレーが立ち並ぶ街は、まるで絵本の世界。ホテルからはマッターホルンが正面に見え、その雄大さに思わず息を呑みました。街には観光客向けのショップやレストランも充実しており、滞在中も不便を感じることはありません。

アルプスの麓にたたずむツェルマットの町は、驚くほど清潔で静か。ガソリン車が入れないぶん、電気バスや馬車の音がのんびり響くだけ。夏でも涼しく、家族でゆったりと自然のリズムに身を委ねられる、そんな貴重な時間がここにはありました。ふと窓を開ければ、そこには静かに染まりゆくマッターホルンの姿。朝焼けにも夕焼けにも、言葉にならない美しさがありました。自然とともに過ごす時間が、ツェルマットでの旅をより深いものにしてくれました。
4. ゴルナグラート登山鉄道とマッターホルンの絶景

旅のハイライトは、ゴルナグラート登山鉄道での山頂散策。標高3,089mからの眺望は、マッターホルンをはじめとする名峰が一望できる圧巻の景色でした。空気が澄んでいたこともあり、山々の稜線がくっきりと浮かび上がり、まるで絵画のよう。雪をかぶった4000メートル級の山々が連なる圧巻の風景。その中心にどっしりと構えるマッターホルンを前にして、自分の小ささを実感するとともに、不思議と心が洗われるようで、気づけば頬を伝う涙がありました。普段日本でも登山ハイキングが趣味である両親は、地元のハイキングツアーにも参加し、とてもリフレッシュできた様子でした。当時、頂上付近の観光者のための遊歩道に柵やロープがないのはビックリでした。気を付けてくださいね。
※標高が3,000メートルを超えるゴルナグラートでは、気圧の変化で体調を崩しやすくなることも。心臓に持病がある方や小さなお子様は、水分補給や休憩をこまめに取りながら、景色をのんびり楽しむのがおすすめです。ゴルナグラート鉄道では、公式な年齢制限は設けられていませんが、標高が高いため、特に3歳未満のお子様の乗車は推奨されていません。ちなみに、1歳の娘は高山病を考慮して山麓で妻と交代でお留守番としました。


※以下は公式サイトへのリンクです。最新情報や詳細は、必ず公式ページをご確認ください。ゴルナーグラード鉄道 スイス政府観光局
5. スイスの味覚体験
下山後の夕食は、ホテル近くのレストランでスイス名物のチーズフォンデュ。とろけるチーズにパンを絡めて味わう伝統料理は、格別のおいしさでした。両親も「これが本場の味なんだね」と笑顔に。旅の疲れもふっとぶような美味しさに、家族全員が笑顔になりました。子どもたちも一緒に楽しめるメニューが多く、家族団らんの時間として心に残るひとときでした。
帰り道、セントバーナード犬のぬいぐるみを抱いた子どもたちは、あっという間に夢の中へ。そして今、すっかり大きくなった子どもたちは、家でも「またあの味が食べたい」とチーズフォンデュのリクエストが時々あります。思い出の味は、時を超えて家族をつなぐ特別な味になりました。
6. 旅の苦労も思い出に
最初は、旅行代理店などのツアーパックを考えたのですが、あまり詰め込みすぎないゆったりとした旅の方が良いだろうと考え、この旅では、航空券や鉄道、宿泊の手配をすべて自分たちで行いました。英語でのやりとり、小さな子どもとの長距離移動、気圧差への配慮など、大変なことも多々ありました。それでも、両親の「この旅は一生忘れない」という言葉を聞いた瞬間、すべてが報われた気がしました。スイスで過ごした数日間は、まさに家族の宝物のような時間。心の中に深く刻まれた一生の思い出となりました。
あとがき

アルプスの絶景、スイスならではの食文化、そして家族との濃密な時間——。ツェルマットは、単なる観光地ではなく、「人生で一度は訪れたい場所」として記憶に残ります。家族旅行を計画中の方や、大切な人と特別な思い出を作りたい方にとって、ツェルマットは最適な旅先です。旅の手間や少しの苦労を乗り越えた先に、きっと忘れられない景色と時間が待っているはずです。
そしてもし次のスイス旅を描くなら、チューリッヒからユングフラウヨッホへと続く山岳鉄道の絶景ルートも外せません。新しい感動と出会いが、また家族の記憶を豊かに彩ってくれることでしょう。では、また次の旅の回想でお会いしましょう。

今回の旅では、この二つをチョイスしました!

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